ここ最近,続けざまに青森県内の不動産に関する依頼を受けており,弘前市へ物件の調査に行ってきました。

まさに飲食店で新型コロナウィルスのクラスターが発生した最中で,食事をしようにも

「市の要請により,10/30まで営業を自粛しています。」 といった貼紙が出された店ばかりです。

たまたま開いていた飲食店の店主さんにお話を伺ったところ,市から営業再開の許可が出たものの既にスタッフを休ませている店が多く,開けるにも開けられない事情があるそうですが,そのお店はご家族のみで営業していたために急な営業再開にも対応できたということでした。とはいえ,営業自粛を案内していたため,来店者は殆どいないそう。

映画『津軽百年食堂』の舞台となったというそのお店。

いたるところに著名な方の写真が掲示されていましたが,正直,その映画を存じ上げないなと思いながらポスターを見たところ,上映は2011年。

まさに東日本大震災の直後で,当時を思い返すと岩手県沿岸・山田町へ所属団体の一員として被災者に物資を届けるボランティアをしていた時期と重なり,

その日その日をどうするかだけで映画を観る余裕のない時期でした。

そんな感慨にふけっていると,店主さんがそっと手作りマスクを差し出してくれました。

「いっしょに頑張りましょう」

東日本大震災直後,仮設住宅に身を寄せられている方から直にかけていただいた言葉と一緒です。

困っているはずの方が,他の方を思う心。

なんて美しい。

この心こそ未来に繋ぐべき大切な大切な財産であると感じさせていただきました。

三忠さま,ありがとうございました。